”テクストゥーラ” と”クア” DOモンサン ウリオル・ペレス・デトゥデラ
海と山に恵まれたタラゴナの自然が生み出した、タラゴナらしいを造るウリオル。
すっきりした酸の”北”らしい冷涼感あるワインが主流の中、”南らしさ”を堂々と主張したふくよかで厚みのある、どこか懐かしいようなテイストのワインを造る。
ウリオルはカタルーニャ州南部タラゴナ県内陸部のValls(バルス)出身。
Castellカステイの王道とも言われるVallsの”コリャ・べリャ”のダイレクターを務めていた生粋のカタルーニャ人だ。例えるなら、浅草に生まれ三社祭に出る神輿の担ぎ手の代表だろうか。
幼い頃から叔父の畑に入り浸り、畑や栽培に親しんできたが、大学では哲学を修め、その後フランスに留学。ジャーナリストとしてキャリアをスタートさせるが経済不況の影響を受け、電子機器の営業に転職、その後栽培とワイン造りに再転職するというワイン醸造家としてはちょっと珍しい経歴をもつ。
ウリオルのワインは”その土地らしさ”をよく表現している。
明るい太陽、吹き寄せる海風、緑の自然、夏の暑さと長い日照時間。
この環境で生まれるブドウらしい味を求めて、剪定の段階から丁寧に畑を管理している。
テクニカルでも、緻密でもない、肩の力がすーっと抜けたワイン。
大衆食堂の日替わり定食にぴったり合うような、包容力のあるテイストは、料理やタイミングを選ばない。
銘柄や造り手の名前が一面に出てしまうとついつい肩が張ってしまうけれど、何も気にせず、それこそコップでぐいっと飲めるワインだからこその飲みやすさ。
タラゴナに生まれ、その自然と伝統に育てられたからこその造り出せる生粋のワイン。
こんなワインが今一番求められているように思う。